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俺に寄る女


4:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:35:55.89 ID:mtEdGqhX0


当時23才
普通体系
至って普通

俺はとある地元のスーパーの中にあるテナントの写真屋で働いていた。
いい加減バイトも卒業しなければいけないと思って、就職のために資格を取るべくそのバイトを辞めた。
新しく資格を取ったものの、資格だけではなかなか働き口が見つからない。
そんな時、辞めたバイト先が人数不足で困っているとたまたま耳にした。
ということで、就職先が見つかったら辞めるという条件で再びバイトに戻った。
俺が辞めた時に引き継いだバイト店員はすでに全員辞めていて、まったく知らない人が店員になっていた。
そのバイト先の方針なのか、男1女2でシフトを回す体制だった。
一人が早番、一人が遅番、一人が休みという形。
前にやっていただけにすぐにシフトに組み込まれた。
そこで出会ったのがカミヤさんという女性だった。
俺から見たカミヤさんの第一印象は、幸薄そうだなぁ…といった感じだった。

カミヤさん
20歳♀
160cmくらい
痩せ型




6:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:39:16.44 ID:mtEdGqhX0

バイトに戻って何日間か経った後、カミヤさんと同じ日に入った時にカミヤさんの身の上話を聞いた。

俺の地元へ引っ越してきてからまだ間もないこと
前にいたところでは家族でお店をやっていたこと
借金取りから逃げるように夜逃げしてきたこと
生活が苦しく、給料のほとんどは父親に取られていること(家族の生活費兼父親のパチンコ代になるとのことだった)
そして、父親からのDVのこと

カミヤさんから聞く話はあまりにも身近な話ではなくて現実味がなかったため、俺は「どうせガセ話なんだろう」と思って適当に聞いていた。


7:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:42:06.22 ID:mtEdGqhX0

数日後、カミヤさんが顔を腫らしてバイトにやってきた。
女性が顔を晴らしているのをリアルで見るのは初めてなので、正直びびった。

俺「ちょ…大丈夫なん?」
カ「大丈夫ですよ、このくらい。」
カミヤさんの話は本当だった。
カミヤさんの話を信じることなく聞いていた自分が情けなかった。
俺「病院行った方が良いんじゃ?」
カ「大丈夫ですって。それにお金なんてありませんから。」

休憩時間に店で氷を買ってきて、それをタオルに包んでカミヤさんに渡した。
俺「とりあえず、これで冷やしておいた方が良い。」
カ「え…悪いですよ。」
俺「いいから。もう買って来ちゃったものはしょうがない。」
カ「ありがとうございます。」
この日はカミヤさんを奥で休ませながら、通しでバイト先に残って仕事をした。
サービス残業となるが致し方ない。
カミヤさんの話を信じようともしなかったせめてもの罪滅ぼしだと思った。


8:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:43:51.84 ID:mtEdGqhX0

バイトをしながら、途中でとあることに気がついた。
休憩時間は昼食を食べる時間もしくは遅番は夕飯を食べる時間として取るのだが、カミヤさんは食べていない。

それ以来、俺は時々わざと昼食用に買うパンを一つ多めに買ったりした。
俺「買いすぎて食べきれないから食べてくれない?」
毎度申し訳なさそうにお礼を言い、カミヤさんはそれを食べてくれていた。


9:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:45:50.78 ID:mtEdGqhX0

ある日、カミヤさんが好きでやっているというゲーム機を持ってきた。
PSP・DSがすでにでている時代だというのにゲームボーイアドバンズだった。
カ「家にはテレビとかないから、よくこれやっているんですよ。」
カミヤさんの解説付きでゲームボーイアドバンズをやらせてもらった。
白黒画面はとても見づらいものだった。

しばらくして、このゲームボーイが壊れてしまったことを聞く。
俺「なら、使ってない俺のDSをあげるよ。」
カ「もらうわけにはいきませんよ。」
俺「じゃあ、売るよ。どうせ使ってないから…100円で良いよ。」
これにて商談成立。
持ってくるのは次回でという話にしたが、すぐの方が良いかと思って家に帰った後、DSを持ってバイト先に戻った。
カミヤさんは嬉しそうだった。

カミヤさんの財布から出てきたのはわずか16円…
俺「あ…あ~まぁ急だったし、お金は今度で良いよ。」
そう言ってカミヤさんにDSを渡して俺は帰った。


11:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:47:33.89 ID:mtEdGqhX0

後日、カミヤさんは500円を渡してきた。
俺「あ~、お釣りかぁ。」
カ「いえ、これでお願いします。」
俺「大丈夫なの?」
カ「大丈夫ですよ、ありがとうございます。」
なんだか500円をもらうのが申し訳気分だった…が、今となって考えれば「大丈夫なの?」という言葉の方がカミヤさんに対して失礼だったと思ったりする。


12:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:48:59.33 ID:mtEdGqhX0

カミヤさんに“なぜ家を出ないのか?”と聞いたことがある。
カ「ん~…どうなんでしょうね。」
といった感じではぐらかされてしまったが、なんとなく理由はわかっていた。
カミヤさんと話をしていると、度々に母親の話が出てくる。
母親の話をしているカミヤさんは無邪気に笑って話していた。
きっと母親が好きだから離れたくないんだろうな、などと思った。


13:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:50:23.98 ID:mtEdGqhX0

カミヤさんが額に手を当てながらバイトにやってきた。
俺「どうした?またお父さんになんかされた?」
カ「いえ、ちょっと前髪を切りすぎてしまって。」
俺「なんだ、そんなことか。気にしすぎなんじゃないのw」
カ「そうですかねぇ。」
カミヤさんが手をどける。
俺「wwwwwwww」
思わず笑い転げてしまった。
カ「笑うなーw」
俺「いや、だってw短すぎるしパッツンwwwwww」
カ「笑うなってのw」
俺「いやいや、あ~ごめん………アヒャヒャヒャwww」
カ「笑うなー、このモンチッチが!」
俺「あ、はい、すみません。」

“カミヤさんだって女の子なんだ。髪くらいちゃんと切りに行きたいだろうに”


14:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:51:46.24 ID:mtEdGqhX0

写真屋にはやはり際どい…というかモロにエロいフィルムを持ってくる客とかもいた。
盗撮関係のものはさすがになかったが、はめ撮り写真やらヌード写真やらは結構持って来たりする。
カ「すみません、もう限界です。このフィルムお願いできますか。」
俺「どしたん?」
フィルムは現像機にかけてネガにして、ネガを別の機会に通し1コマ1コマ見て色や濃さなどを調整してからプリントしていく。
つまり一度は何が写っているかは見なければならないのだ。
俺「あ~、なるほどね。」
見ればやはりはめ撮りのネガだった。
それを調整しながらプリントしていく。
今度は焼きあがった写真を一通り見て、ゴミ焼きなどはないかをチェックしなければならない。
俺「はい、出来たよ。カミヤさん、写真チェックして。」
カ「ちょw俺さんがやってくださいよ。」
俺「いちおう仕事なんすけどw」
カ「うるさい、このエロガキがw」
俺「あ、はい、すみません。」

“カミヤさんだって女の子なんd


15:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:53:18.49 ID:mtEdGqhX0

そんなカミヤさんの父親と対面する日は突然やってきた。
俺が早番でカミヤさんが遅番。
バイト先にカミヤさんはなにやらコソコソといった感じでやってきた。
カ「なんかお父さんの機嫌が悪くて、なかなか家を出れませんでしたけど、こっそり出てきちゃいました。」
カミヤさんにとって、バイトの時間は自由に外に出れる時間でもあった。
それ以外は父親が家にいるように言っているらしかった。
しばらくして、一人のおじさんが店にやってきた。
お「おいユミ、帰るぞ。」
レジのカウンターから、中にいるカミヤさんに言った。
カミヤさんはうつむいたまま無言で立っている。
“ああ、こいつが父親か”
カミヤさんが言った通り、機嫌は良くなさそうだ。
二人の間に割って入る。
俺「今、カミヤさんは仕事中ですが、なにか?」
お「なんだお前、関係ないからすっこんでろ。ユミ、行くぞ。」
俺「関係なくはありません。今、カミヤさんに帰られると俺が帰れなくて困るんですよ。」
父親はしばらく黙ってカミヤさんと俺を見た後、静かに撤退していった。
カ「ありがとうございます。お父さん、怖いでしょ?」
なんてなことをカミヤさんは少し震える声で言っていた。


16:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:54:40.98 ID:mtEdGqhX0

本音を言えば父親をぶん殴ってやりたかった。
けど
例えば、ここで父親を殴ったとしてその怒りの矛先はどこにいくのだろうか。
家にいるカミヤさんまで守ることはできないのだ。
そんなことを考えた。
お礼されるようなことはなにもしていない…悔しくてどうしようもなかった。


17:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:55:36.28 ID:mtEdGqhX0

2月の始め頃、カミヤさんが聞いてきた。
カ「俺さんは甘いのと苦いの、どっちが好きですか?」
俺「そりゃあ…甘いの。」
カ「ああ、苦いのがダメなお子さま舌でしたねw」
俺「ほっといてくれw」
こんなやりとりがあり、カミヤさんが帰ったあとに気づいた。

“ああ、もうすぐバレンタインか…”


19:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:56:43.02 ID:mtEdGqhX0

バレンタインのチョコって結構高かったりする。
だから、これは回避せねばとカプリコ大作戦を考えた。
次にカミヤさんと会った時に作戦開始。
俺「そういや、もうすぐバレンタインだね。」
カ「そうですね。」
俺「バレンタインの時に売られるチョコって、ただ苦いだけで美味しくはないよね。」
カ「そうなんですか?」
俺「うん、あれだったらカプリコ2個とかの方が美味しく食べれて嬉しいって。」
カ「究極のお子さま舌ですねw」
俺「ほっといてくれw」
これで高級チョコは回避できて、なおかつカミヤさんの面子も保たれるだろう。
カミヤさんに余計な出費はさせない、それがこの作戦の目的だった。


20:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 12:57:21.46 ID:mtEdGqhX0

カミヤさんとバイト日が一緒になるバレンタインに一番近い日。
カ「はい、バレンタインですw」
と言われてカプリコ2個もらった。
俺「ありがとう。」
カ「本当にそんなので良いんですかw」
俺「これが美味いんだってw」
カ「お子さまにはお似合いですねw」
俺「ほっといてくれw」
見事に作戦は成功したw


25:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:01:16.05 ID:mtEdGqhX0

かに見えた。

バレンタイン当日、この日は女性2人には休んでもらおうと、俺は自分から希望して1人で早番も遅番も通してバイトに入っていた。
“さて、そろそろ店を閉めるか”
そんな時間にカミヤさんが店にやってきた。
俺「あれ、どうしたの?」
カ「これを俺さんにこれを渡したくて来ちゃいました。」
そういってカミヤさんは小さな紙袋をカウンターに置いた。
俺「えーと、これは?」
カ「俺さんが私に気を遣ってあの話をしたことわかってます。」
紙袋の中にはちゃんとしたバレンタインチョコが入っていた。

作戦はバレバレだったようだ…。

俺「じゃあ、なんで買ってきたの?俺にお金使わなくても良いじゃん。そのお金でカミヤさんが好きなものを買えば良いと思ったから…」
カ「でも渡したかったんです。いつも俺さんは私に気を遣ってくれてる。少しでもそのお礼をしたかったんです。こういう機会でもないとできないから。」
しばらく沈黙。
カ「お母さん待ってるから行きますね。」
そういってカミヤさんは帰っていった。


27:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:04:08.47 ID:mtEdGqhX0

次の日、遅番で出るのがなんとなく気が重かった。
早番がカミヤさんだったからだ。
しかし、行かないわけにもいかないのでバイトに向かった。

普段とあまり変わらないように思えたが、なんとなく雰囲気は重かった。
俺は昨日の非礼を謝ることにした。
俺「昨日はごめん。怒る気はなかったんだけど、その…」
カミヤさんは黙って聞いている。
俺「昨日は言えなかったけど、あの…本当は嬉しかった。ありがとう。」
カ「アヒャヒャヒャヒャヒャww」
するとカミヤさんは突然笑い出した。
カ「嬉しいなら普通に受け取れば良いんですよwまったく素直じゃないですねぇw」
俺「う…」
カ「顔真っ赤ですよ、お子さまさんw」
俺はなんとなく気恥ずかしく、顔が赤くなっていたらしい。
俺「あの俺…いちおう年上なんすけど。」
カ「まぁ、許しますよw」
俺「そっか…ありがとう。」

しかし、作戦は大失敗に終わってしまった。
むしろカプリコ2個分の余計な出費。
俺しょんぼり。


28:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:04:58.85 ID:mtEdGqhX0

そして月日も経ち、状況が変わる時がやってきた。
俺は介護関係の仕事がやりたくて、バイトをしながらもボランティアとしてとある介護施設のデイサービスに行ったりしていた。
そこの介護施設が施設拡張ということで、常勤として雇ってくれるという話をもらった。
俺はバイト先に新人が入ったら辞めることになった。
そのことをカミヤさんにも伝えた。
カ「俺さんが辞めたら、私も辞めます。」
俺「なにを言ってんの。カミヤさんには守りたいものがあるでしょうが。」
カ「そうなんですけど。」


30:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:07:12.08 ID:mtEdGqhX0

数日後、俺が遅番の時で店を閉めようとしていた時にカミヤさんがまた店に現れた。
カ「少し話があるんですけど。」
俺「えーと、何?」
カ「良かったら、私と付き合ってもらえないでしょうか。」
俺「は?」
カ「俺さんのことが好きなんです。」
突然の告白に驚いた。
返事は後日でも良いというので、俺はしばらく考えてそれに対する答えを出した。
それはNOだった。
ようやく新しい仕事も見つかり、きっと仕事のことで余裕がなくなってしまうだろう。
そんな状態でカミヤさんと上手く付き合う…その自信がなかった。
情けなかったが、カミヤさんにはこれまでと同様に接していくことで納得をしてもらった。

今になって思えば、たぶんこのときには、俺はカミヤさんを好いていた。
そのことにすら正直になれなかった俺はきっとアホだったんだろう。


32:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:10:17.95 ID:mtEdGqhX0

再び数日後。
カ「私、家を出て●●(とある都会)に行くことにしました。」
これまた突然の展開。
話を聞けば、たった1人だけ連絡をしあっていた友達がいたが、その子が結婚をすることになり、家を建てるのでそこで一緒に住むのだというまったく訳のわからない話だった。
俺「え…なにそれ、大丈夫なん?」
カ「大丈夫ですよw私も何かを変えたいんです。」
俺「家族には話したん?」
カ「お父さん以外には話しました。私はお父さんから逃げることにしたんです。お母さんもお姉ちゃんも賛成してくれました。」
俺「そっか。」
カ「そこで俺さんにお願いしたいことがあるんですけど。」
俺「え、何?」
話はよくわからなかったが、とりあえずカミヤさんが●●に向かう日、最寄の駅まで車で送れば良いらしい。
俺「うん、良いよ。」
よく話もわからないままに話を引き受けた。


33:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 13:10:35.79 ID:DWPzgS2Y0

カミヤさん、お風呂とかちゃんと入ってるの?


35:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:13:37.82 ID:mtEdGqhX0

>>33さん
たぶんとしてでしか答えられませんが、それは入っていたかと思います。


34:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:12:04.88 ID:mtEdGqhX0

カミヤさん脱出作戦決行の日。
そろそろ店じまいにする時間あたりにカミヤさんはやってきた。
いつもは持っていない小さなバッグを持っている。
しばらくして、お姉さんらしき人が恋人らしき人と一緒にやってきた。
カミヤさんと何やら話している。

姉「3千円あれば大丈夫だよね。」
姉「お父さんは私たちがひきつけておくから。」

そのくらいしか聞き取ることは出来なかった。


36:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 13:13:48.51 ID:aVTRZvys0

3千円で逃避行は厳しいでお姉さん。。。経済的に厳しいのはわかるけど


38:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:16:19.01 ID:mtEdGqhX0

店を閉め、カミヤさんを助手席に乗せて駅まで車を走らせた。
途中で「タバコ買ってくるからちょっと待ってて」と言ってコンビニに寄り、レターセットとボールペンを買ってコンビニのトイレに行き、“これで美味いものでも食えやwww”と書いた紙と財布から2万円を抜き取って封筒に入れておいた。

カ「私、変わってきます。俺さんを見返すくらいに綺麗になってやるんだw」
俺「ほう、そいつは楽しみだw」
カ「そして今度は私がフってあげるんですw」
俺「いったいどっちがお子さまなんだかw」
そんな会話をしているうちに駅に到着。
改札口まで送ったところで
カ「いろいろお世話になりました。新しい仕事、頑張ってくださいね。」
俺「適当に頑張るよ。カミヤさんも元気でね。それとこれ」
封筒を差し出した。
カ「ん?何ですか?」
俺「今開けてはいかんw顔が赤くなりそうな思いがしたためてあるからw電車の中ででも読んで。」
カ「わかりました。なんだろう、ドキドキしますw」
俺「大したことないわw」
カ「じゃあ、行きます。」
俺「うん、またね。」
こうしてカミヤさんは●●へと向かっていった。


40:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:19:43.54 ID:mtEdGqhX0

《ありがとうございます。最後まで迷惑をかけてしまってごめんなさい。お金は絶対お返しします。》
車に戻って家に帰ろうとすると、メールが入った。

《がんばれ》
俺はそれだけを返信した。


41:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:22:21.14 ID:mtEdGqhX0

俺もバイトをやめて新しい仕事に就いた。
そしてとあることに気づく。
“カミヤさんにホワイトデー返してないな”

ということで、急遽カミヤさんを誘って某ネズミの夢の国に行った。
現地で待ち合わせていろいろ遊んだ。
久しぶりに会ったカミヤさんは心なしか前より綺麗な格好をしていた。
そんなカミヤさんといろいろ話をしながらネズミ国を回った。
その途中で俺はわざとカミヤさんとはぐれた。
ホワイトデーとしてカミヤさんに渡す物を買うためだった。
そのあとすぐに携帯で連絡して合流した。
カ「もう何やってるんですか。いい年して迷子なんてw」
俺「ええ、返す言葉もありません。」
カ「もう迷子になんてさせませんよw」
カミヤさんは俺の手を握り、そのあとの移動は手を繋いですることになった。
カミヤさんの手は小さく、再びあれを思い出した。

“カミヤさんだって女の子なんだ”

ネズミの国のキャラはあまり好きではないと前に聞いていたが、カミヤさんは終始楽しそうだった。


42:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:23:38.34 ID:mtEdGqhX0

夢の時間も終わり、外に出てからはぐれていた時に買ったものをカミヤさんに渡した。
シンデレラの靴をイメージしたクリスタル細工だった。
カ「なるほど、これを買いに行ってたわけかw」
俺「はて?何のことだか?」
カ「とぼけないでくださいwでも、嬉しいですwありがとうございますw」
俺「まぁ、遅くなっちゃったけどバレンタインのお返しということでw」
カ「シンデレラの話はちょっと好きだな。ああやって変わることが出来たらどれだけいいのでしょうねw」
俺「カミヤさんが言う変わるってのがよくわからないけど、カミヤさんがそれを望めばいつかきっと叶うんじゃないのかねw」
カ「現実はそんなに甘くないんですw」

そして「またね」ということで現地解散。
カミヤさんは電車で、俺は一人車に乗ってそれぞれ帰路についた。


43:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:24:25.06 ID:mtEdGqhX0

しばらく月日が経ったある日、実家のパソコンの調子が悪いから見てくれないかとカミヤさんからお願いされた。
とりあえずok。
カミヤさんが実家に帰る日に合わせてカミヤさんの実家へ行くことになった。


46:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 13:27:19.17 ID:JeQ9IjsV0

所持金16円が強烈すぎて、メールとかPCとか違和感あるわー
主さんレス結構ですのでどうぞ続けてください


48:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:33:18.23 ID:mtEdGqhX0

>>46さん
カミヤさんが家を出て行ってから、父親が仕事をするようになったらしく、そのために誰かからもらったパソコンだとか言っていました。
なんか汲み取り関係だとかなんとか、そんな感じでした。


47:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:27:51.33 ID:mtEdGqhX0

カミヤ家訪問当日。
駅までカミヤさんを迎えに行った。
カミヤさんはまたしても綺麗になっていたような気がした。
そんなカミヤさんを乗せてカミヤさん宅を訪れた。
父親は外出中でいなかった。

母「ユミがいつもお世話になっています。」
俺「あ、どうも。こちらこそですよ。」
母「俺さんの話はユミからよく聞いているんですよ。」
カ「お母さん、余計なことはいいから。」

パソコンはどうやらハードが壊れていたのでハードを変える作業をした。
姉「良かったらこれどうぞ。」
作業を終えると、いつの間にか帰ってきていたお姉さんに手作りというミルクプリンを出してくれた。
カ「あ~、お姉ちゃんのだからたぶんマズいですよ。気をつけてくださいw」
とりあえず一口食べてみる。
俺「ん、美味しいじゃん。」
姉「良かった。」
カ「たぶん毒が…」
姉がバチンとカミヤさんの頭を叩いた。
カ「もう、冗談だってw」

“なんだかんだでちゃんと家族家族してるんだな~w”


49:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 13:35:16.86 ID:IqMmFdQT0

お母さんたちは暴力うけてるんですか?


51:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:38:09.62 ID:mtEdGqhX0

>>49さん
母については聞いたことがないですが、姉も受けていたのは聞いたことがありました。


50:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:36:50.92 ID:mtEdGqhX0

任務を終えて帰ることにしたが、カミヤさんも●●の方に帰るということで駅まで送ることになった。

車中
カ「どうですかね?私、変わりましたか?」
俺「あ~、うん変わったんじゃないかね。」
カ「にしししししw」
俺「なにその不気味な笑いw」
カ「別に~w」

カミヤさんはいつも髪を後ろで結んでいた。
が、この日だけは結ぶことなく髪をおろしていた。
その初めて見る姿のせいもあってか俺はドキドキしていた。
そのドキドキを隠すのに必死だった。

俺「ところで、あっちではどうしてるん?働いてる?」
カ「働いてますよ。家にお金送らないといけないですしね。」
俺「ふーん、どんな仕事?」
カ「ん~、まぁ普通の仕事ですよw」
俺「そっか。」
カ「そういえば、前に借りたお金お返しします。」
俺「あ~、まぁ別に無理して返さなくても良いよ?」
カ「大丈夫です。こないだ100万円入ったので。」
俺「え、どういうこと?」
カ「だから大丈夫なんですw」

そこで駅の近くに到着。
カ「ここまでで良いです。」
駅のロータリーで車を停める。
カ「これ、お返しします。」
カミヤさんは3万円渡してきた。
俺「これは受け取れない。別にそういう意味で渡したわけじゃないから。」
1万円はそのまま返した。
カ「ごめんなさい、そうですよね。では、また会いましょうw」
俺「うん、またねw」
カミヤさんはホームに向かって歩き、一度こっちに振り返って手を振ってから駅に入っていった。


52:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:39:56.56 ID:mtEdGqhX0

カミヤさんが帰った後もしばらくはメールなどで連絡しあったりしていたが、いつしかメールを送ってもエラーで返ってくるようになってしまった。
最初のうちは料金が払えてないのかな?などと思っていたが、その後メールが届くことはなかった。
連絡がないのは元気な証拠…無理やりにでもそんなように思うようにしていた。


53:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:41:29.68 ID:mtEdGqhX0

時は過ぎてクリスマスが近くなった時、たまたまカミヤさんのお姉さんと地元のデパートで会った。
俺「こんにちは、お久しぶりです。」
姉「俺さん、久しぶりですね。」
俺「あのあと、パソコンは問題ないですか?」
姉「はい、おかげさまでw」
挨拶もそこそこに本題に入る。
俺「ユミさんと連絡つかなくなってしまったのですが、元気ですか?」
しばらくの沈黙。
姉「ごめんなさい、俺さんには伝えなくてはいけないと思ってたのですが」
俺「何をですか?」
姉「ユミは死んだんです。」


54:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 13:42:02.47 ID:JeQ9IjsV0

うわあああああああああああああ


55:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:42:44.69 ID:mtEdGqhX0

は?何が?
頭の中が真っ白になるというのはこういうことなんだろうと思った。

姉の話によると、カミヤさんは自殺をしていた。
首を吊ったらしい。

理由は遺書にも書いてなかったそうだ。
俺は「そうでしたか。」としか言えなかった。
何が何だかわからないし、涙なんかまったく出なかった。


56:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:43:38.43 ID:mtEdGqhX0

次の休日、以前訪れたカミヤ宅を再び訪れた。
ピンポンを押すと母親が出てきた。
母「お久しぶりです、俺さん。どうぞ。」
家にあがらせてもらった。
前に修理したPCがある部屋に、前はなかった仏壇が置かれていた。
中にカミヤさんの写真があった。
母「ごめんなさい。俺さんにはもっと早くお伝えするべきでした。」
俺「本当だったんですね。」
母「ええ、ユミは死にました。」


57:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 13:43:42.25 ID:aVTRZvys0

どういうことなの・・・


58:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:46:11.26 ID:mtEdGqhX0

仏壇の前に置かれた座布団に座り、線香をあげさせてもらった。
目を閉じて手を合わせる。
冷静にいようと思ってはいたが、感情が一気に崩れてしまった。

なんで?
また会おうって言ったじゃねーか

なんで?
カミヤさんには守りたいものがあったんじゃねーのかよ

なんで?
カミヤさんの楽しい人生はこれからだったはずじゃねーか

なんで?
つらいなら、つらいって一言言ってくれれば良かったじゃねーか

なんで?

なんで?

なんで…

なんで俺はこんなにも無力なんだ

これでもかというほど涙が出た。


60:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:47:40.41 ID:mtEdGqhX0

母「これを。」
母親は封筒を差し出してきた。
なんとも色気のない極普通の封筒だった。

中に入った便箋を取り出した。
“ごめんなさい”
出だしはそう書かれ、それに続き母・姉に対する感謝・謝罪の言葉が書かれていた。

便箋2枚目。
“俺さんへ”
俺宛てへの言葉が書かれていた。
“いつも私を気にかけてくれる優しい俺さんが好きでした。ずっとそのままでいてください。いっぱいいっぱいありがとうございました。”
言葉にならなかった。


61:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:48:26.45 ID:mtEdGqhX0

自意識過剰かも知れないが、カミヤさんから告白を受けたあの時に俺がカミヤさんを受け止められていたらこんな結果にはならなかったのかもしれない。
俺は悔やんで悔やんで悔やんで悔やむ日々を送った。
だけど、そんなことを考えてもしょうがないし、神のみぞ知るということでしかないのだ。


62:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:50:09.49 ID:mtEdGqhX0

ここまでが以前のスレで書いた分です。
ここからは新しく書き加えになっていくので書くのも遅くなるかもしれません。


63:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 13:52:41.73 ID:er9cdzR40

死んだハズなのに続きがあるの?


64:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 13:55:11.38 ID:IqMmFdQT0

(;ω;`)


65:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 13:59:45.52 ID:mtEdGqhX0

なんでカミヤさんが自ら死を選んだのか知りたかった。
けど、すぐに詮索するのはやめた。

カミヤさんは誰にも言わなかった。
遺書でもあえて書かなかった。
だったらそれで良い。
仮にそれを詮索してわかったところでカミヤさんは戻らない。
わざわざほじくり返すなんてことはしたくはなかった。

だが、100万の出所だけがわかった。
姉には話していたらしい。
新婚夫婦の旦那だ。
それがどういう意味の金なのかはまったくわからない。


66:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 14:08:58.81 ID:mtEdGqhX0

仕事にも気が入らない日々が続いた。
そんな様子を察してか職場の先輩が声をかけてきた。

先「なんか影背負ってるけどどうしたの?話、聞くよ?」
先輩は食事に誘ってくれた。
一部始終を話した。
最後には俺が荒れてしまった。

俺「神が1日に奪う命にノルマがあるのなら、俺みたいのから取れば良かったんだ。なんでカミヤさんが死ななければならなかったんですか!?」
先「あなたが死んだら悲しむ人がいるでしょう。誰かを亡くす悲しみは今のあなたが一番よくわかっているでしょう。その悲しみを他の人にも背負わすと言うの!?」
俺「俺の命つかっても良いから、カミヤさんを助けて…」
先「カミヤさんにもっと苦しめと言うの?そんなものはあなたのエゴでしかないよ。」
俺「俺はあの時、カミヤさんの気持ちを裏切った。俺こそ罰を受けるべきなんです。」
先「十分苦しんだでしょう?心痛めてきたでしょう?罰が必要だというのなら、それでもう十分でしょう。でも、罰だとかなんだとか、カミヤさんがそんなことを望んでると本気であなたは思ってるの?」
それ以上は何も言えなかった。

この言葉に生かされた気がする。


67:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 14:16:38.54 ID:mtEdGqhX0

カミヤさんが亡くなって、どこか安堵するような気持ちにもなった俺自身もいた。
連絡がつかなくなって、カミヤさんは元気にやっているだろうか?といつも気になっていた。
その心配ももうしなくて良いんだ。
そんな自分自身に嫌気がした。


70:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 14:26:22.15 ID:mtEdGqhX0

クリスマス近いということで、どこかでB'zのいつかのメリークリスマスが流れていた。

人を愛するということに気がついたいつかのメリークリスマス

俺は小学校のときにあった出来事により“愛情の裏返しは憎しみ”などといった変な悟りを開いてしまっていたため、誰かを好きになったりする恋愛などをしたことはなかった。
そんな俺もいつしかカミヤさんに恋をしていたと改めて気がついた。
でも、いなくなってからじゃ全てが遅いんだ。


71:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 14:40:56.04 ID:DW3VxDNf0

知らないうちに大変ことになってんじゃん(T ^ T)


72:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 14:47:40.17 ID:mtEdGqhX0

その後、カミヤ家は県外へと引っ越しをしていった。
それからというものは接点はなくなった。
順調にやれていることを願うばかりだ。

カミヤさんと出会ってから、短期間にいろんなことがありすぎた。
あまりにもあっという間の出来事すぎて、俺自身今でもカミヤさんが本当に実在したのか疑いたくなるような思いにもなる。
毎年、カミヤさんの命日に墓参りするたびにカミヤさんがこの世にいたことを実感する。
“俺がそっちに行ったら、小一時間ばかり説教してやるw”


73:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 14:48:58.51 ID:mtEdGqhX0

以上でカミヤさんとの話は完結します。
読んでいただけた方、ありがとうございました。


76:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 15:09:53.53 ID:MTuo8oRh0

これ実話なの?
自殺の原因って絶対その新婚夫婦の旦那が絡んでるじゃん
旦那と関係をもった(無理矢理?)→妊娠→中絶→慰謝料100万円
なんかつらすぎる・・・


79:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 15:33:15.81 ID:mtEdGqhX0

>>76さん
実話ですね。
自分自身、そのような仮説に至ったこともあります。
けど、結局は仮説でしかないのです。


78:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 15:24:28.48 ID:ibXnZUwb0

>>1
こうちゃん…なの…?


79:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/09(水) 15:33:15.81 ID:mtEdGqhX0

>>78さん
こうってのは適当につけた名前で、自分の本名から取ったわけでもありませんよw


80:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 16:16:16.15 ID:4PqHOQ+gi

何故俺に寄るなんだ?


83:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/10(木) 13:06:11.02 ID:bT5gn1Z+0

>>80さん
カミヤさんの話はとりあえず完結しましたが、これから書こうとしている話が現在にも繋がっているのでそうタイトルをつけてみました。


81:名も無き被検体774号+:2011/11/09(水) 16:24:25.00 ID:cQ1IINdu0

お疲れ様…あんまり自分を責めたらいけんよ。


84:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/10(木) 13:12:41.95 ID:bT5gn1Z+0

カミヤさんのことでひたすら落ち込むことにも落ち着いて、仕事にも気がはいるようになり、しばらくした頃にオオノさんという女性と出会った。

●オオノさんスペック
年齢:現在25歳
身長:165cmくらい
痩せ型
過去に芸能人になる夢を目指してRQとかをやっていたということだけあって綺麗。
第一印象は普通に“あ~綺麗な人だな”って感じだろうか。

仕事の関わりで俺はたびたびとある施設へ行くことがあった。
そこで働いていたのがオオノさんだった。
彼女は新人だというのにも関わらず、物怖じすることなく働いていた。
明るく誰にでも話しかけ、そしてよくご飯を食べていた。
胃下垂だからすぐにお腹が空くだかなんだか、そんなことらしい。


85:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/10(木) 13:18:29.41 ID:bT5gn1Z+0

オオノさんとの接点も増え、いつ頃だったか忘れたが連絡先などを交換した。
そんなオオノさんに誘われ、食事・映画・カラオケ・プール・水族館・遊園地などいろんなところに行った。
いつも誘うのはオオノさんであって、俺から誘ったことは1回もない。
オオノさんは過去の不摂生だった生活が原因だというが、体になんか不安材料があるらしくいろいろな悩みがあった。
その悩みを聞くことをメインとして遊びに行くといった感じだった。


86:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/10(木) 13:21:43.18 ID:bT5gn1Z+0

そしてオオノさんが俺の働いている事務所へとやってきた。
もともとオオノさんが働いていたところは稼ぎが良くなかった。
それでうちの事務所が誘ってみることにより、オオノさんはうちの事務所へやってきたのだった。

オオノさんが事務所にやってきてからもいろいろと一緒に遊びに行った。
そうこうしているうちにオオノさんの彼氏の愚痴などを聞くことになる。
強引な人でいろいろ勝手に決めて困るだの
オオノさんの過去を詮索してはいじけるだの
世間体を気にしてこれをしろあれをしろと言ってくるだの
束縛が強くて困っているだの

そして暴力

カミヤさんのことが蘇って、思わずビクッと反応してしまった。


87:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/10(木) 13:24:09.97 ID:bT5gn1Z+0

背中思い切り蹴られたり、髪を掴まれてひきずりまわされたり、首を絞められたり…と内容は結構ヘビーなものだった。
当然のことながら、
俺「それは別れた方が良いんじゃ…。」
という話になる。
それに対してオオノさんは
オ「そうですね。」
的な返答をしてきて終わるなんてことを何回か繰り返した。


88:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/10(木) 13:29:43.48 ID:bT5gn1Z+0

彼氏が結婚式の日取りや場所などを決めてしまったらしい。
俺「いや…勝手にっていうか、オオノさんも場所とか衣装合わせとか行ってきたんでしょ?」
オ「そうですけど…こんなに早く決められちゃって困ってます。」
俺「まぁ、良かったじゃん。少し早いけどおめでとう。」
オオノさんはあまり嬉しそうではない表情をしていたが、これがいわゆるマリッジブルーというやつだろうかなどと思っていた。


90:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/10(木) 13:36:06.58 ID:bT5gn1Z+0

結婚式の日が迫ったある日、オオノさんから誘いがあってまたどこぞなりへ行った。
もうすぐ結婚式だというのに、オオノさんはまだどうしようどうしよう的なことを言っていた。
俺「オオノさんは彼氏さんのことが好き?」
オ「はい…いちおう好きですね。」
俺「なら良いじゃんw好きなら、信じてやっていけば良いんじゃないかねw」
オ「俺さんの気持ちはどうなんですか!?」
俺「え…?」

俺、どういうことなの…状態。

俺「いや…俺の気持ちは関係ないんじゃ…。」
オ「俺さんの気持ち次第でどうにもなるんですよ!」
俺「いや…どうにもならないし…。」
そんな感じのままオオノさんと別れたあと、俺は悶々と考えていた。
“いったいなんなんだ…”


94:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 00:28:15.76 ID:mc0zFPQp0

数日後、オオノさんが退社届を出した。
理由は結婚そして出産のため。
上司から聞くまで知らなかったことだが、オオノさんは妊娠して2か月になっていたそうだ。
あまりの展開になんだか笑ってしまったw


95:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 00:44:35.20 ID:mc0zFPQp0

ちなみにいっておくと、オオノさんと俺は体のつながりはまったくない。
正真正銘、旦那の子供だ。


96:名も無き被検体774号+:2011/11/11(金) 00:55:23.55 ID:3/Fso0LL0

なんかオオノさんメンヘラ臭がするなあ


98:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 00:59:09.94 ID:mc0zFPQp0

>>96さん
あると思います。
どこか精神的にもまいっているというか、おかしな部分は見えたりもしていました。


97:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 00:57:06.64 ID:mc0zFPQp0

しばらくしてオオノさんは無事挙式。
俺にも結婚式への招待状は届いていたが欠席をした。
仕事もあったし、なんとなく顔を合わせたくなかった。
その後、男の子を出産。
当然のことながらというべきか、もうこの頃には特に連絡も一切なかった。
出産の情報は仕事の事務所から聞いたことだった。
結婚はオオノさん自身が決めたこと、これで俺も役目を終えたかなと思っていた。


99:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 01:12:35.84 ID:mc0zFPQp0

それから月日が経ったある日の深夜2時頃、俺の携帯電話へ公衆電話から電話がかかってきた。
まだ寝てはいなかったが、そんな時間にかかってくる電話は普段なかったので出ようか悩んだが2度目の着信で出てみた。
相手はオオノさんだった。
外は雨が降っていたこともあってか、正直何を言っているのかいまいちわからなかった。
旦那とケンカしてひどい目に合って家から逃げてきた…そんな内容だった。
とりあえず行くからそこにいるようにと言って電話を切り、オオノさんのところへ向かった。


100:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 01:17:46.06 ID:mc0zFPQp0

到着するとオオノさんは電話ボックスの中で子供を抱いてうずくまっていた。
ボックスの中にはいるものの、雨で全身びしょ濡れだった。
よほど急いで逃げてきたのか、靴も履いていなくてびっくりした。


101:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 01:26:01.87 ID:mc0zFPQp0

子供が風邪をひいてはいけないので、とりあえずどこか暖かいところへ…
俺は実家暮らしだったし、時間も時間だったので友人とかのところへ泊めてもらうというわけにもいかなかった。
考え付いた先が地元のラブホ。
オオノさんと子供を車に乗せてラブホへ行った。
多少サイズは大きかったが、俺の靴をオオノさんに貸して歩いてもらった。
裸足で外を歩くのはなにげに痛かったのを覚えている。
人妻とラブホ…それだけで気が引けたが場合が場合なのでやむを得なかった。


103:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 01:40:28.71 ID:mc0zFPQp0

ラブホの部屋に入って改めて明るい場所でオオノさんを見ると、唇の端あたりにアザが出来ていた。
唇は切れてもいるようで血がダラダラ出ていた。
子供は泣いてはいるものの、見る限りでは外傷などはなく、それだけは安心した。
オオノさんと子供はとりあえず風呂へ入った。
風呂からあがり、オオノさんは子供をベッドに寝かしつけ、着ていたものをハンガーにかけて干した。
俺が普段なにかあった時用に鞄に入れていた消毒液と絆創膏でオオノさんの怪我の処置をした。
それからオオノさんと話をした。


104:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 01:51:37.31 ID:mc0zFPQp0

俺「久しぶり。急すぎてびっくりした。」
オ「すみません。頼る人がいなくて…。」
俺「怪我、大丈夫?」
オ「はい、なんとか。」
俺「結婚生活は順調?…って聞くまでもないか。」
オ「見ての通り、相変わらずですよ。」
俺「いったい何があってこんなことに?」
オ「旦那の友達の家へ行って、皆で飲んでいたんです。そこで私がイベコンをやっていた頃の話とかになって…。そしたら、旦那が機嫌悪そうになって帰るぞって言って家に帰ったんです。家に帰ってからは殴る蹴るのボコボコです。」
俺「そっか…。」


105:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 02:07:46.31 ID:mc0zFPQp0

俺「なぁオオノさん、今って幸せなん?」
オ「わかりません。けど、この子がいるのは幸せです。」
俺「旦那は子供にも手をあげるん?」
オ「子供の面倒はちゃんと見てくれてもいるので、今のところそれはありません。これから先はやっぱり不安ですけどね。」
俺「このままで本当に良いんだろうかね。」
オ「私だって優しい人のところへ流れたいですよ。でも、もうそういうわけにも…。」
俺「だったら、やっぱりわか…。」

途中まで出ていた言葉を飲み込んだ。
やはり別れるというのが最善だと思っていた。
けど、それは同時に最悪の方法でもあると思えた。
子供から良き実の父親を奪ってしまうことになる。

オオノさんにとっては最善
子供にとっては最悪

そんな簡単に言える言葉ではないと思えた。


106:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/11(金) 02:20:06.63 ID:mc0zFPQp0

俺「まぁ…今日も俺は仕事だし、そろそろ寝ようか。」
オ「そうですね。いろいろすみませんでした。それと、ありがとうございました。カタチはこんなでしたけど、また俺さんと会えて良かったw」
俺「そりゃあ生きてさえいれば、いつか会えることだってあるよw」

何をどうすれば良いんだろう
いったいどうすることができるんだろう
そんなことを考えながら、俺はソファで寝た。


115:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/13(日) 01:36:56.71 ID:1dgqc9R/0

翌日、オオノさんと子供をオオノさんの実家に送っていった。
遊びに行っていた頃、帰りは実家まで送っていたからオオノさんの実家は知っていた。

家の近くまで来たところで、オオノさんが言った。
オ「あ…このまま家を通り越した先で降ろしてもらえますか?」
言われた時はわからなかったが、頼まれた通り家を通り過ぎることにした。
家を通り過ぎる際、黒いベンツが家のすぐ横に停まっていたのが見えた。
“ああ、旦那が来てるのか”
前に旦那はベンツに乗っているというのを聞いたことがあった。
俺「大丈夫なん?」
オ「大丈夫ですよ、たぶん。」
そう言ったオオノさんの笑顔はなんだか弱々しく感じた。
その後、オオノ宅より少し先に行ったデパートでオオノさんと子供を降ろして、俺は仕事へ向かった。
本当に大丈夫なのだろうかという心配はあった。


116:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/13(日) 01:54:22.13 ID:1dgqc9R/0

3日ほど経ってからオオノさんから携帯へ電話があった。
仕事で取ることが出来ない時間だったので、後からかけなおすことにした。
オオノさんの携帯は旦那にチェックされているだかで、俺の携帯からオオノさんの携帯へは電話はおろかメールすることはNGと言われていたので、公衆電話からかけなおした。
なんでかけるのは大丈夫でかけられるのは危険なのかは謎だった。


117:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/13(日) 02:05:58.70 ID:1dgqc9R/0

かけなおしてみると、ご飯でもいきませんか~みたいな内容。
まぁ前回がアレだっただけにちょっと安心。
あの後、旦那と話し合いになったが、話の途中で旦那は自分の実家へ帰ってしまったのでしばらく帰らない。
それで明日、夕食でも一緒にどうかとのことだった。
とりあえずOKはしたものの少し考える。
“浮気ではないとは思うけど…こういうのってどうなんだろうか”


118:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/13(日) 02:21:11.42 ID:1dgqc9R/0

俺「指、どうしたん?」
オオノさんに会うなり、気になったので聞いてみた。
オオノさんの右手の小指には包帯が巻かれていた。
オ「ああ…話し合ってる途中で旦那が暴れたので。折れちゃったみたいです。」
俺「普通に事件じゃん…大丈夫なん?」
オ「もう大丈夫ですよ~w」
痛々しいことなのに、オオノさんはなんだかエヘラってしながら話した。


119:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/13(日) 02:33:29.39 ID:1dgqc9R/0

オオノさんがする旦那に対する愚痴のような話をメインに聞きながら夕食を食べた。
子供も食事の時間。
オオノさんは子供を抱いていて手が空かないので、俺がお店の人からお湯をもらって粉ミルクを溶かして作った。
離乳食も試しているとのことで、オオノさん自身が食事を食べる間は俺が子供を抱いて離乳食をあげた。
まったくもって初めて体験したことだった。
俺が抱いても子供が泣かなかったのでなんとか出来た。
しかし、やはり思う。
“なんでこんなことしてんの俺w”


120:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/13(日) 02:48:52.58 ID:1dgqc9R/0

22時頃になって話も落ち着き、帰ることに。
もし旦那が家に帰ってきてしまい、家にオオノさんがいないとなると連絡があって、すぐに戻らないと大変になるからということで、食事をした場所はオオノさんの家(旦那と住んでいる家)からあまり離れていないところだった。
とりあえず外に出る。
俺「さて、帰るかね。すぐそこだろうけど送っていくよ。」
オ「帰りたくないなぁ。」
俺「何言ってんの。子供も寝かせなくちゃだから、むしろすぐ帰らないといかんでしょw」
オオノさんの小指が気になったので、子供を乗せたベビーカーは俺が押していった。
10分ほど歩いてオオノさんの家に到着した。
俺「ここかぁ。」
場所の話を聞いていたものの、実際に行くのは初めてだった。
オ「家…寄っていきます?」


127:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/14(月) 20:20:29.48 ID:bqyU3XDr0

俺「は?」
オ「少し寄っていきませんか?」
俺「ふざけんな。立場的なことわかってる?」
オ「わかってますけど…。」
オオノさんはしょんぼりしていた。
俺「あ、あ~まぁまたこうして連絡もらえれば会えるわけだし、今日は良いじゃんw」
思わずふざけんななんて言ってしまったので慌ててフォローした。

束縛が強い旦那という。
もし旦那と鉢合わせになろうものならどうなるかわかったものではない。
俺はまだしも、オオノさんと子供がだ。

俺はオオノさんの家に寄らずに帰った。


129:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/14(月) 20:34:18.09 ID:bqyU3XDr0

その頃、もう一人の女性と出会うことになる。

昼食をコンビニで買い、車に戻る。
コンビニに入るまでは天気は曇りの状態だったが、出てみると雨が降り出し始めていた。
買った昼食は次の仕事の現場近くで食べようと思い、とりあえず現場近くまで行こうと車を出した。
コンビニの駐車場から道へと出ようとするも、車の流れが多く少し停車をするカタチになった。
その時、運転席側の窓ガラスがコンコンと叩かれた。


130:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/14(月) 20:45:56.14 ID:bqyU3XDr0

窓を開けると、若い女性がいた。
女「こんにちは。」
俺「こんにちは。えーと?」
知らない人だった。
なにか俺がやっちゃったのかと思ったけどなんにも心当たりはない。
女「あの~、駅の方って走りますか?」
俺「え?」
女「駅の方に行くなら、乗せてってもらえませんか?」
俺「あ~、ああ…。」
見るからには女は傘を持っていなかった。
次の現場というのは駅の方角とは真逆だったが、昼食を食べる時間を省けば駅まで行っても間に合うと考えた。
俺「どうぞ。」
車の鍵を開けると、女は助手席に乗り込んだ。
女「ありがとうございますw」


131:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/14(月) 20:59:13.45 ID:bqyU3XDr0

駅に到着するまで話をした。
女はカワグチと名乗った。

●カワグチさんスペック
年齢:22歳
身長:150cmくらい
普通体型
オオノさんを綺麗系とするなら、カワグチさんは可愛い系といった感じ。

コンビニから駅まで歩けば20分はかかる。
傘も持ってきてないからどうしようかと困っていたらしい。
だったらコンビニで買えよって少し思った。

カ「引っ越してきたばかりなので、友達もいないので…良かったら友達になってもらえませんか?」
ヒッチハイクした挙句、乗せてもらった相手にそんなことを言うとはすごい度胸だ。
俺「あ~、良いですよ。」
カ「やったwじゃあ、後で連絡先教えてもらえますか?」


132:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/14(月) 21:13:01.63 ID:bqyU3XDr0

駅のロータリーでカワグチさんを降ろした。
俺の車には何本かの傘が積んであったので、別れ際にそれを1本渡した。
連絡先が書かれた俺の名刺も渡した。
カ「ありがとうございました。このお礼は必ずw」
俺「いや、まったく気にしなくても良いです。」
カ「いえ、必ずwその時は連絡しますねw」
そう言って改札への階段を上がっていった。


133:名も無き被検体774号+:2011/11/14(月) 21:23:52.29 ID:bqyU3XDr0

その夜、早速連絡がきた。
お礼として食事の誘いメールだった。
また気にしなくて良いと答えたが、どうしてもということだったので誘いを受けた。

まだ引っ越したてで地理的なことがわからないこと
彼氏と別れたことをきっかけに引っ越したこと
なかなか一人暮らしの生活が大変なこと

そんな話を聞いた。
食事はお礼として奢るだの言っていたが、生活が大変だとか聞いたので結局食事代は俺が出すことにした。
カ「良かったらまた遊んでやってくださいw」
そんな感じでお礼の食事とやらは終わった。


135:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/14(月) 21:33:21.59 ID:bqyU3XDr0

ちなみになぜあの時、俺に話しかけたのか聞いてみると
カ「悪い人には見えなかったからw」
らしい。

もうひとつちなみに言うと、このヒッチハイクの話を自分の職場でしたところ、先輩にこっぴどく怒られた。
先「知らない人を車に乗せてはいけません!運転中に刺されたりする事件にあったらどうするの!?」
俺に対して事務所から、知らない人を車に乗せない令が発動された。
俺「だって、困ってそうに見えたから…」
などという俺の言い分は聞いてもらえなかった。
そこまで悪い世の中だとは思ってないけど、まぁたしかに不用心すぎたと反省はした。


136:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/14(月) 21:44:52.86 ID:bqyU3XDr0

カワグチさんからの誘いは毎週やってきた。
都合があえば会ってどこかへ行った。
まだ地理的に不安ということで地元の案内というか道を教えたりするのをメインとしていた。

帰りは家まで送っていたが、俺は寄ることもなく帰っていた。
そんなある日、カワグチさんが言った。
カ「そういえば昨日、映画のDVD借りたので良かったら一緒に見ていきませんか?」
断る理由も見つからなかったので、カワグチさんの部屋にお邪魔をした。
特記するようなことが何もないくらいに殺風景な部屋だった。


137:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/14(月) 21:53:08.02 ID:bqyU3XDr0

カ「これです。」
出したDVDはヤンキー女…なんだかって書かれてた。
映画が好きでよく映画を見ているとは聞いていたが、なんでこんなタイトルのもの…。
とりあえず見てみる。
Vシネマのようで、普通にセクロスの場面があったりした。
俺自身はなんにもしてないのに、なんか非常に気まずくて困ったが無言で通す。
その場面になってのカワグチさんはというと、「うへぇ」だの「あわぁ」だの言いながら見ていた。
もう途中で帰りたかった。


145:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/15(火) 23:42:33.67 ID:kVw5F0ge0

俺「あの…もう帰っても良いっすかね?」
カ「え~、せっかく来たんだし、もう少しダメですか?」
俺「なら、もう少しね。」
カ「俺さんの恋愛話なんて聞きたいなw」
俺「恋愛ねぇ…じゃあ」

ポチッ

俺「ってあの…映画、もう少しで終わりっぽいのに消されましたけど。」
カ「いいんですw続きをどうぞw」
俺「そうですか。大した話はないですが。」

俺の恋愛
俺を作り上げた一番最初の出来事

誰かに話すのは初めてだった。


146:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/15(火) 23:47:54.97 ID:kVw5F0ge0

俺の中では最も古い記憶。
小学校一年生だった時のもの。
それより前の記憶は、元々覚えていないのかその頃が強烈だったために忘れたのかはわからない。


147:名も無き被検体774号+:2011/11/15(火) 23:52:54.42 ID:NIII/qOk0

かわぐちさん好き好きオーラ出しすぎやろw


149:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/15(火) 23:58:00.97 ID:kVw5F0ge0

>>147さん
カワグチさんは良くも悪くも素直な性格でしたねw


148:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/15(火) 23:56:20.87 ID:kVw5F0ge0

まぁ、ここでは結構わりとある話なのかもしれない。

小学校に入りたてだった頃、なんだかわけもわからずに一人の女子に気に入られた。
その女子の名前はマナベ。
明るく元気で友達は多く、クラスのムードメーカー的な存在だった。
その頃の俺はというと、大人しくて地味だったように思う。
休み時間になるたびにマナベは俺にべったりくっついてきた。
頭を撫でてきたり、油断するとキスしてきたり、マナベはやりたい放題だった。
給食の時間もマナベとその取り巻きみたいなやつに囲まれて食べた。
そんな様子をみてクラスの全員がからかってきたりした。
俺にとってはそれがなんだか恥ずかしくて嫌だった。
この頃は男女の違いなんて、ついてるかついてないかくらいの差しかわからなかったので、くっついてくるマナベが暑苦しいしうざったかった。
「離れろ」と言って引き離そうとしたりしたが、全然効果はなかった。


150:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 00:07:44.52 ID:+GUy9u4R0

夏休みが終わり、学校が始まると同時に様子が一変する。
マナベが寄ってこなくなった。
なんだかわからないが、自由になれて嬉しかった。
だが、それは違うカタチとなって俺に降りかかることになった。


151:名も無き被検体774号+:2011/11/16(水) 00:11:52.22 ID:AOypUSYN0

いぢめられ臭が(ーー;)


153:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 00:19:46.32 ID:+GUy9u4R0

>>151さん
大正解ですw


152:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 00:19:07.58 ID:+GUy9u4R0

給食の時間、マナベも来ないし取り巻きにも囲まれない。
その時、マナベが俺を指差して言い放った。
「こいつのじいさんはシンチャンだ。だから、こいつもシンチャンなんだ。」
シンチャン、当時の小学校では身体・知的に障害がある人をシンチャンと呼び、馬鹿にする風習があった。

そこに至るまでの話は後に知る。
俺の祖父は全盲だった。
ゆえに仕事が終わる時間に祖父を職場まで迎えに行き、祖父の手を俺の肩に乗せて家まで帰る。
祖父の目が見えないこともそんな祖父を迎えいくのも、俺自身からすれば特別なことではなく、普通であって当たり前のことだった。
その歩いている場面をたまたまマナベが見かけたことがきっかけだったらしい。
むしろ祖父がシンチャンの枠に入ることに初めて気づかされ、幼いながらにすごいショックだった。


154:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 00:32:00.59 ID:+GUy9u4R0

以来、マナベを主としてクラス全員のやつからバイキン扱いを受けた。
友達だと思っていたやつすら、敵になっていた。
上履き・靴に画鋲が入っていることは当たり前。
給食には常にチョークの粉が入っていた。
教科書は習字に使っていた墨によって真っ黒。
徹底した無視。
休み時間に囲まれてトイレに行かせてもらえず、授業中に小便を漏らしたりもした。
一番印象深いのが、マナベの机に手を触れたということで、鉛筆で手を思いっきり刺された。
鉛筆で刺されると鉛が残るのか、傷が治っても黒い跡が残る。
それは数年経っても消えなかった。
担任のやつは見てみない振り。
いじめを受けているなんて誰にも言えなかった。
それが発覚した時、誰よりも傷つくのは祖父であるだろうと思っていたから。
抵抗はしてみたが、多勢に無勢というやつだった。
人は集まるだけで力になる。
たとえそれが間違った方向でだとしても突き進めることができるのだ。

ここで俺は歪んだ悟りを開いてしまう。

“人はいつだって他人の弱い部分を探してる。それを見つけては寄って集って叩くくだらねーものなんだ”
“好きなんていう感情を裏返せば憎しみじゃねーか。なんてくだらねー感情なんだ”


155:名も無き被検体774号+:2011/11/16(水) 00:37:54.47 ID:TERvnuAIO

>>1もカゲありだったんだな。。


158:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 00:45:53.61 ID:+GUy9u4R0

>>155さん
カゲといえばカゲになるのでしょうかね。
まぁ、暗い暗い過去です。


156:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 00:43:18.21 ID:+GUy9u4R0

表情というものは自分の感情を人に知らしめる。
それは弱点を晒すことにも繋がると思い、嫌がることも怒ることも痛がることも笑うことも無くし、すべてを無表情で貫き通すことにした。
とにかく無表情で徹する…それが俺にできる唯一の抵抗だった。
辛くて死を意識することもあった。
けど、この頃の俺にとって死はとてつもなく怖いものだった。
自分がいなくなってしまう…それが未知すぎて怖くて、夜に一人で何度も涙を流した。
俺はマナベへの復讐心で生きることにした。

“すべてがくだらねー。誰も俺に寄るな”


157:名も無き被検体774号+:2011/11/16(水) 00:43:31.54 ID:iEU6bQ+u0

小学生でその悟りは病むわな


158:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 00:45:53.61 ID:+GUy9u4R0

>>157さん
本当に長い間、病んでたんだと今更ながらに思います。


159:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 00:55:33.84 ID:+GUy9u4R0

中学へ入ってからは俺自身がまた違う方向へ行ってしまったので別の話になる。
が、恋愛や人そのものに対する考え方は変わらなかった。
そのまま中学・高校・専門・社会人となっていく俺。
その間、告白だのをしてきた女には「やだ」「うるせー」ですべて即座に断った。
中には泣いたりする女もいたが、俺には関係ないとばかりにそれに対して何一つ悪いと思っていなかった。
本当にひどいksだ。

そんな俺がカミヤさんと会い、恋をすることになるなんて本当に思っていなかった。
今となって思えば、謝りたい女がたくさんいる。


160:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 01:03:57.32 ID:+GUy9u4R0

ここまでカワグチさんは静かに話を聞いてくれ、涙を流していた。
カ「大変だったんですねぇ。かわいそうすぎます。」
俺「いや、かわいそうとか言わないでwもしかしたら、あの時そういうことがあったから、俺は今までやってこれたのかもしれないですしね。」
カ「強いですねぇ。」
俺「そんなこともないですw」
カ「好きの裏返しは憎しみ…なんとなくわかる気がします。」
俺「わからなくて良いんですよ、それはw」


161:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 01:07:30.26 ID:+GUy9u4R0

続いてカミヤさんの話をした。
内容は前述した通り。
話が終わるとカワグチさんは号泣モードに入っていた。
俺「あの…ティッシュ1箱終わっちゃいますけど。」


162:名も無き被検体774号+:2011/11/16(水) 01:14:26.44 ID:LonpnSPa0

かみやさんの話は反則だろ
おっさんの俺でも泣くっつーの(T_T)


164:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 01:20:02.71 ID:+GUy9u4R0

>>162さん
暖かい言葉をありがとうございますw


165:名も無き被検体774号+:2011/11/16(水) 01:27:07.40 ID:LonpnSPa0

>>164
ちょっw
暖かい言葉なんか、かけてねー

にしししし


163:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/16(水) 01:17:48.98 ID:+GUy9u4R0

俺「ちょwそんな泣きなさんなw」
カワグチさんが泣き止んで落ち着くまでに10分ほどかかった。

カ「俺さんはまだカミヤさんのこと、好きなんですか?」
俺「そうですね。それは変えられない。カミヤさんは俺にたくさんのことを教えてくれたから。」
カ「そうですか…。」

話も終え、カワグチさんも落ち着いたようだったので、「じゃあ、また」と俺は帰宅した。


172:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 00:28:49.42 ID:sMwaSHjp0

皆様、読んでいただきありがとうございます。
店屋物のホタテでどうやらあたってしまったらしく、苦しんでいました。
危なくなったらトイレへダッシュするため、いつも以上に遅いかもしれませんがボチボチ書いていきます。


173:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 00:39:08.74 ID:sMwaSHjp0

カワグチさんが神奈川県は横浜のみなとみらいに行ってみたいと言った。
ということで行ってみた。

電車を乗り継ぎ、やってきたるはみなとみらい駅。
しかし改札を抜けると、カワグチさんがいない。
後ろをみてみると駅員と何か話をしていた。
しばらくしてカワグチさんがやってくる。
俺「どうしたんです?なにか電車の中に忘れたとか?」
カ「いえ、ちょっと場所の確認をw」


175:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 00:59:55.83 ID:sMwaSHjp0

カ「すみませーん。」
カワグチさんは歩いているおじさんに声をかけた。
立ち止まるおじさん。
カ「あの、みなとみらいへ行くにはどう行けば良いのでしょうか?」
お「みなとみらいはここだよw」
おじさんはそれだけ言って歩いていった。

俺「えーと…カワグチさん」
カ「おかしいですね。なんか教えてもらえません。」
俺「いや、あの」
カ「すみませーん。」
今度は歩いている若い女性に声をかけた。
立ち止まる女性。
カ「みなとみらいへ行くには…」
俺「あ~いや、すみません。ちゃんと言っておくので大丈夫です。お忙しいところ、呼び止めてすみません。」
女性は歩き去る。
カワグチさんはきょとんとしている。
俺「カワグチさん、ちょっとこっち来ようか。」


176:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 01:18:53.44 ID:sMwaSHjp0

コンビニでメモ用紙とボールペンを買って外に出る。
俺「ではこれにカワグチさんが思っているみなとみらいの絵を描いてみましょうか。」
カワグチさんにメモとペンを渡す。

描き終えてから見せてもらうと、ビルのような建物が描かれていた。
注釈なのか、建物から矢印が伸びていてその先には“れんが”と書かれている。
俺「なるほど。では次に神奈川県を描いてみましょうか。」
カ「えーw難しいですねw」
俺「テストじゃないし、正確に描かなくて良いですからwあくまでカワグチさんのイメージで良いですよw」

カワグチさんは単なる四角形を描いた。
俺「大雑把すぎwまぁ、これでいうとここらへんに横浜があります。では次にこの横浜を描いてみましょうか。」

描かれたのはまたしても単なる四角形。
俺「また四角wまぁ、市の形はさすがに難しいですねwこれを横浜だとするとここらへん一帯のことを指してみなとみらいと言います。」
市の形も違うので適当な位置になってしまうが、方角的にここらだろうと思う所に丸をつけて説明する。
カ「えwそうなんですか?w」
俺「はいw実はちゃんと教えてもらえていたということですねw」
カ「じゃあ、これは?w」
ページを戻して建物を指差す。
俺「たぶん赤レンガ倉庫じゃないですかね。れんがって書かれてるし。」
カ「なんと恥ずかしい間違いをw」
カワグチさんは顔を真っ赤にしていた。


177:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 01:35:05.97 ID:sMwaSHjp0

赤レンガ倉庫で買い物をし、中華街で食事をし、クイーンズスクエアを見て回り、最後はコスモワールドで遊んだ。
移動が結構大変だった。

コスモワールドのアトラクション(?)の一つに対戦型形式のワニワニパニックがあった。
参加する人数が多ければ多いほど、1位となった者がもらえる景品が良くなるシステムらしかった。
景品はディズニーものが多く、最大人数でやった場合の景品は天使の羽のようなものをつけたスティッチのヌイグルミだった。
カワグチさんは大のスティッチ好きなので、それを欲しそうに眺めていた。
俺「やってきてみたら?w」
カ「運動音痴の私に言いますかw」
俺「ダメでも良いじゃないですかw欲しいならやる価値はあるってなものですw」
カ「ん~、じゃあやってみますねw」


178:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 01:42:44.91 ID:sMwaSHjp0

参加数が最大人数になり、いざワニワニパニックがスタートした。
最大で5人くらいの参加数だったかと思う。
カワグチさん以外は男。
カップルで来て、彼氏が頑張るというのが普通のスタンスなようだ。
カワグチさんは時々「う~」と唸りながら必死。
俺「がんばれーw」
応援は結構適当。


179:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 01:49:35.90 ID:sMwaSHjp0

そんなこんなでワニワニパニックが終了。
結果、カワグチさんは最下位という悲しいことになってしまった。
一位になった男は彼女らしき人にヌイグルミを渡していた。
そんな様子をカワグチさんも見ていた。


181:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 01:55:54.66 ID:sMwaSHjp0

戻ってきてカワグチさんは言った。
カ「やっぱりダメでしたw」
俺「お疲れさまwだいぶ頑張っていたようでw」
カ「反射神経とかないんですよねw」
俺「では、次は俺いってきます。」
カ「えwやってくれるなら、最初からやってくださいよw」
俺「参加することに意義があるんですw」
カ「意地が悪いw」
俺「参加してみて楽しかったでしょw」
カ「楽しかったですけどw」
俺「それじゃ、行ってきます。」
カ「頑張ってくださいw」
ということで今度は俺が参加をしてみた。


183:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 02:03:30.10 ID:sMwaSHjp0

俺の時も最大人数が集まり、5人くらいで対戦。
やはり彼氏っぽい人が参加してきた。
“やるからには負けられない”
本気モードで頑張ってみた。

結果、見事に満点で1位となれた。
店の人から景品をもらうとき、参加した他のカップルからの視線が痛かった。
“立場をとってしまってごめんよ、彼氏さんたち”


184:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 02:11:22.70 ID:sMwaSHjp0

カ「すごいですねw」
俺「たまたまですよw」
カ「またまたご謙遜をw」
俺「まぁ…はい、どうぞ。」
スティッチのヌイグルミを差し出した。
カ「えwいいんですか??w」
俺「俺が持っててどうするとw」
カ「車の助手席に乗せるとか」
俺「ないですねw」
カ「ありがとうございますw」
俺「どうぞw」
カ「えへへへへへw」
ヌイグルミを受け取り、無邪気に笑って喜ぶカワグチさんを見て思わずドキッとしてしまった。


185:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 02:29:57.27 ID:sMwaSHjp0

帰り間際、駅に行く前にクイーンズスクエアのコービーショップに寄った。
カ「今日はありがとうございました。楽しかったですw」
俺「たまには遠出してみるのも良いですねw」
カ「あの…真面目な話があるんですけど聞いてもらえますか?」
俺「えーと、政治経済の話とか?」
カ「その話題は持ってないですw」
俺「どうぞw」
カワグチさんは一度大きく深呼吸してから言った。
カ「あの…私じゃカミヤさんの代わりになれませんか?」
俺「カワグチさんはカワグチさん、カミヤさんはカミヤさん、代わることなんてないでしょw」
カ「いえ…私と付き合ってくれませんか?」
俺「そういう真面目でしたか。」
カ「はい…。」
俺「…少し考えさせてもらっても良いですか。」
カ「わかりました…良い返事を待ってますねw」
俺「はいwてか、スティッチで顔隠すのやめたらw」
カ「恥ずかしいから良いんですw」

歩き疲れたのか、帰りの電車の中でカワグチさんはスティッチのヌイグルミを抱きながら眠った。
その姿を見て俺はまたドキッとしてしまった。
“今まで散々恋愛というものから逃げまわってきたけど…カワグチさんになら、つかまっても良いのかもしれないな”


186:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 02:41:28.76 ID:sMwaSHjp0

その3日後くらいに仕事を休ませてもらった。
花屋で花を買い、俺はカミヤさんが眠っているお墓がある場所を訪れた。
命日以外で訪れるのはカミヤさんが亡くなったと聞いた時以来だった。
花を替えてお墓に水をかける。
“なぁ、カミヤさん。俺、カワグチさんの気持ちを受け止めてみようと思うんだ。カミヤさんの時みたいに後悔したくなくて。応援してもらえるだろうか?”
手を合わせ、しばらく目を閉じながら話かけるように頭の中で思ってみる。
当然のことながら返事などない。
俺「また、来るよ。」


187:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 02:50:48.26 ID:sMwaSHjp0

ところが
次の休みの日、毎週あったカワグチさんからの連絡が来なかった。
“なんか用事でもあるのかな”
そんなように思って俺からは連絡をしなかった。

その翌週の休みの日もカワグチさんからの連絡は来なかった。
さすがに変だと思い、メールをしてみるとエラーで返ってきた。
電話をしてもつながらない。
カミヤさんのことがあったから、嫌な予感がした。
電話が通じないとなれば、後は直接カワグチさんのアパートへ行ってみることだけだった。


189:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 03:00:13.04 ID:sMwaSHjp0

カワグチさんの部屋のピンポンを押してみる。
何も反応がない。
それどころかそれまで玄関のドアにぶら下がっていたスティッチの表札がなくなっていて、誰も入居していないようになっていた。
“どういうことなんだろう”

帰ろうとすると、カワグチさんと同じアパートの人らしき女性を見つけたので、カワグチさんのことを聞いてみた。
俺「あの~すみません。」
女「はい?」
俺「そこに住んでるカワグチさんという方は」
女「ああ…事故で亡くなったそうですよ。」


192: 忍法帖【Lv=38,xxxPT】 :2011/11/17(木) 03:09:04.82 ID:UjY+0UKX0

>>189

えっ?






えっ??


195:名も無き被検体774号+:2011/11/17(木) 04:29:26.06 ID:seWYDChnO

追いついた(ノ_・。)

泣きました。せつな過ぎて辛くなった。

こうちゃんは今いくつなの?

これから毎日見に来るからね!


199:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/17(木) 13:00:43.35 ID:sMwaSHjp0

昼休みでいったん家に寄りました。
質問に答えておこうかと思います。

>>195さん
現在27歳となってます。
ちゃん付けで呼ばれるような歳ではないかもしれませんw


197:名も無き被検体774号+:2011/11/17(木) 08:37:49.96 ID:Vmo2J7Ko0

うわぁぁぁ
これは病むわ


203:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/18(金) 01:20:37.01 ID:r5qQz4G20

帰ってネットで地元近辺とカワグチさんの働き先近辺の交通死亡事故を調べた。
だが、それらしき事故は見当たらなかった。

場所はどこだったのか

そもそも事故とは何の事故なのか

なんでカワグチさんは亡くならなければならなかったのか

真相を知るには情報が全然足りなかった。


204:名も無き被検体774号+:2011/11/18(金) 01:29:10.74 ID:dJlzY4wy0

>>203

こんな時間に来るとは


206:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/18(金) 01:35:16.20 ID:r5qQz4G20

>>203さん
なにぶん、不規則な時間の仕事なので来れる時間もバラバラになってしまいます。
昨日はこれの前の分を書いて、またいろいろ考えてしまってまったく眠ることができませんでした。
なので今回は途中で寝落ちしてしまうかもしれませんw


205:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/18(金) 01:30:45.95 ID:r5qQz4G20

カミヤさんの時とは違い、共通の知り合いがいないので連絡もなければ情報すら入ってこないのは当然でもあった。
再びカワグチさんが住んでいたアパートに出向き、住んでいた方々に何か知らないかを尋ねてまわった。
結局、詳しい情報を得ることはできなかった。

カワグチさんは事故で亡くなった。
ということ以外には
親御さんらしき人が部屋の片づけにきていた。
ということだけだった。


208:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/18(金) 01:42:35.73 ID:r5qQz4G20

なんなん、これw
いったい何がどうなってんのw
こんなことがあってたまるかw
ふざんけんなってw
再び絶望を思い知らされたことに思わず笑ってしまった。

けど
“また…残される側か”
いずれにせよ、カワグチさんはいなくなってしまった。
“もう嫌だ”
最終的にはまた泣いた。


211:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/18(金) 01:54:03.84 ID:r5qQz4G20

また落ちる日々が続いた。
先「よし。また飲み行くよw」
そしてまた先輩に誘われる。

俺「なんで俺に寄る人はいなくなってしまうんでしょうかね…。」
先「それは違うね。あなた自身が寄ろうとする人がなにかワケありなんだと思うよ。あなた、普通の人だと寄ろうともしないじゃんw」
俺「それは…」
先「今少し考えただけでも、思うところたくさんあるでしょw」
俺「なら、俺が寄ろうとしなければ良いんですね。」
先「それも違う。それだけ人に合わせて寄り添うことが出来る人ってのはそうそういない。カミヤさんにしてもカワグチさんにしても、きっと嬉しかったと思うよw」
俺「そんなことわかりはしませんよ。」
先「自棄になりなさんなw」
俺「なんか…少し疲れてしまいました。」
先「なら、休めば良い。きっと時が優しく解決してくれる。そしてそれがいつかあなたの力になる。それまでゆっくりしてみるといい。」


213:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/18(金) 02:01:05.80 ID:r5qQz4G20

自分の中に決めた思い

“もう俺は誰にも寄らない”

そして願い

“だから、俺にも寄るな”


215:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/18(金) 02:08:41.22 ID:r5qQz4G20

そしてオオノさんの話に戻ることになる。

オオノさんとはカワグチさんがいた時も、月一くらいで会っていた。
基本的にはオオノさんが旦那にやられたことやオオノさんから出る旦那への愚痴やら、そんな話を食事しながら聞いていた。
誰かに話すことによってオオノさんが楽になるのなら、いくらだって話を聞く。
そんな関係は続いていた。


217:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/18(金) 02:21:37.02 ID:r5qQz4G20

カワグチさんが亡くなって、次にオオノさんと会ったときに俺は言った。
俺「もうこの関係を終わりにしようか。」
オ「どういうことですか?」
俺「もう会わない方が良いって言ってる。」
オ「なにかあったのですか?」
俺「俺なんかに何もありはしない。」
オ「そうですか…。」
なんとも重い雰囲気にしてしまった。
オ「俺さんが迷惑だと思ってるなら…そうしましょう。今日で最後にします。」

本当は「迷惑だなんて思ってない」と言いたかった。
けど、言わなかった。

オオノさんを俺から遠ざける。
それであの絶望する事態を回避することができるなら…と思っていた。


219:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/18(金) 02:36:41.43 ID:r5qQz4G20

それからしばらくオオノさんと会うことはなかった。

だが、ある日オオノさんの携帯電話から俺の携帯電話に電話がかかってきた。
公衆電話からではなくオオノさんの携帯から電話とは珍しいと思いつつ、電話に出てみた。

俺「もしもし。」
それに対して返ってきたのは意外な声だった。
男「お前が俺っていうやつか。」
少し驚いたが答える。
俺「そうですが、どちら様で?」
男「俺はリカ(オオノさん)の旦那だ。お前に話がある。何時頃なら都合がつく?」
俺「今日だったら18時半くらいには、一旦仕事が落ち着きますが。」
男「なら、19時に●●のガストへ来い。」

「わかりました。」と言おうとしたら、電話が切れていた。


239:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/19(土) 00:32:25.58 ID:PShB+Z470

予定通り18時半で仕事の区切りがついてガストに向かう。
19時の10分前くらいにガストに到着したは良いが、オオノさんの旦那は見たことがなかったのでどんなやつかもわからない。
オオノさんの話を聞いていた最初の頃は、「旦那に会わせてもらえないだろうか」と度々言っていたが、会わせてもらえることはなかった。
平和主義者だか自称していたオオノさん、もめることを回避していたのだと思う。
オオノさん自身は知ってか知らずかわからないが、いよいよそれが実現することになる。


240:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/19(土) 00:47:42.24 ID:PShB+Z470

車から降りてそのまま駐車場で待っていると19時ぴったりに携帯が鳴った。
見ると着信はオオノさんの携帯。
その俺のところへ携帯を手に持った男が近づいてきた。

旦「お前か。」
男は携帯を操作した。
俺の携帯の着信音が鳴り止む。
俺「ああ。あんたがそうか。」
オオノさんからの話で俺より少し年上だと聞いていた男は背が高く、そんなに背が高くない俺は見下ろされるような感じになった。


241:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/19(土) 01:08:43.82 ID:PShB+Z470

旦「お前と食事をしながら話すつもりはない。」
俺「まったく同感だな。」

そして、つかつかと歩み寄ってきた旦那にいきなり殴られた。
旦「リカともう会うな。」
俺はちょっとよろけた。
旦「話はそれだけだ。じゃあな。」
旦那は立ち去ろうとする。
俺「お前の用ってのはそんだけかよwお前の用は済んだかもしれねーが、俺はお前に聞きたいことがあってわざわざこうして出向いてやったんだ。それくらい答えていきやがれ。」


244:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/19(土) 01:26:45.89 ID:PShB+Z470

旦那は立ち止まり、こっちに向き直った。
旦「なんだ、言ってみろ。」
俺「なんでお前は人を攻撃できる余裕があるのに、人を守る方に使わない?」
旦「何言ってんだお前。」
俺「オオノさんを殴る力があるなら、なんでオオノさんを守る方に使わねーんだって聞いてんだ。」
旦「家庭を守るためにはいろいろある。結婚していないお前にはわからないことだ。」
俺「家庭を守るためにオオノさんを殴るのか。」
旦「リカは俺の嫁だ。俺の家庭に対してお前から意見される筋合いはない。」
俺「そうか。今まで一方的にオオノさんからの話しか聞いてなかったからどうかとは思ってたが、お前が糞野郎だと確認できたわ。」
旦「なんとでも言え。もう一度言うが、リカは俺と結婚してるんだ。もうリカとは会うんじゃねーぞ。」

そう言って旦那はベンツに乗って去って行った。
ものの10分程度の対面だった。
“言われなくてももう会ってねーよ”
殴られたところがなんだかヒリヒリした。


250:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/19(土) 01:47:38.16 ID:PShB+Z470

家に帰ると、俺の携帯が鳴った。
着信はまたしてもオオノさんの携帯だった。
またあの野郎かと思って出てみたが、今度はオオノさん自身だった。
オ「旦那から聞きました。」
俺「えーと…なにを?」
オ「旦那が俺さんを思い切り殴ってきてやったと言っていました。」
俺「あ~、あんなものどうってことないwそれより」
オ「ごめんなさい。本当にごめんなさい。もう俺さんに迷惑をかけないようにしますから。」
俺「え、ちょ」
電話は切れた。
“あれ?オオノさん…泣いてた?”


262:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/20(日) 01:44:20.00 ID:e7AjCewz0

心配になって電話をかけ直すも、留守電にしかならなかった。
とてつもない嫌な予感。
オオノさんの家に直接行ってみようかと思ったが、旦那に会ってしまうとまたややこしくなる。
警察に連絡…いや、それこそ旦那に知れることになる。
何度も電話をかけてみたがつながらない。
結局、何もできないまま翌日を迎える。


263:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/20(日) 01:58:35.73 ID:e7AjCewz0

オオノさんは悪い意味で予想を裏切らなかった。

翌日、朝一で事務所に行くと、オオノさんの叔母にあたる人がいた。
この叔母は今でも俺と同じ事務所で働いていて、オオノさんと俺が仲良かったのを知っている人物だ。

叔「ちょっといい?」
叔母に連れられ、事務所の外にある喫煙所に行った。
タバコを吸う人はほとんどいないので、他の人に聞かれることなく話ができる場所でもあった。
叔「今朝方…リカが自殺をした。」
“ああ、またそんな話か”
3度目ともなると驚きもしない…それにはある程度の予想がついていたせいもあったのかもしれない。


264:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/20(日) 02:04:00.67 ID:e7AjCewz0

叔母の話によれば、オオノさんは手首をがっつり切った。
場所は以前行ったあのラブホの一室だったらしい。

だが、これまでと大きく違うところがあった。
発見され次第、病院に送られたオオノさんは一命を取り留めた。

ところが意識が戻らないので危険はあるかもしれないということでもあった。


265:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/20(日) 02:08:02.60 ID:e7AjCewz0

叔母にオオノさんが運ばれた病院を聞いて行ってみた。
行ってはみたが、家族以外面会謝絶ということで通してもらえず、オオノさんと会うことはできなかった。
“オオノさんが大変だというこのときに、俺は本当に何もできないんだな”


266:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/20(日) 02:16:02.60 ID:e7AjCewz0

仕方なしに帰る。
途中で通りかかった神社になんとなく寄った。
手持ちの金すべてを賽銭箱に投げ込んで祈った。
“一回くらい力を貸しやがれ”
普段は信仰とかまったくしていないくせに、こんな時だけ頼るのは実に都合が良いものだと思う。
でも、それに頼ることくらいしか俺にできることはなかった。
“オオノさんの意識が戻りますように”


267:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/20(日) 02:31:39.59 ID:e7AjCewz0

数日後、オオノさんの意識が戻って容態も安定し、病室も一般病棟に移ったと叔母から聞く。
面会謝絶も解かれたので俺も面会できることになった。

病室へ入るとオオノさんは眠っていた。
その寝顔を見てなんだかすごく安心した。

しばらくオオノさんの眠るベッドの横にある椅子に座っていると、オオノさんが目を覚ました。
オ「あれ?俺さん?」
俺「おはよう。やっと面会することができた。」
オ「わざわざ来てくれたんですね。」
俺「そりゃあねぇ。」
オ「俺さん…ごめんなさい、私は」
俺「もう良い。皆まで言わなくても良い。オオノさんは生きている、それだけでもう良いよ。」
オオノさんは静かに涙を流した。
俺「なぁ、オオノさん。」
オオノさんがこちらを向く。
俺「迷惑なんかじゃないよ。」
前に言いたくても言わなかった言葉だった。
オ「うん…うん…。」
オオノさんは静かに涙を流した。


269:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/20(日) 02:41:03.64 ID:e7AjCewz0

オオノさんが入院していた間、毎日どこかの時間で面会に行った。
ふと気になることがあった。
毎日行っているにも関わらず、旦那と遭遇することがなかったのだ。

俺「旦那は面会に来たりしてるん?」
オ「一度だけ…ですね。」
俺「そうなんだ。なんか忙しいのかね。」
オ「離婚が決まったんです。」
俺「え…。」
衝撃的だった。


271:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/20(日) 02:51:23.08 ID:e7AjCewz0

オオノさんの意識が戻ったあと、面会にやってきた旦那は離婚届を持ってきたらしい。
世間体をすごく気にする旦那。
旦那にとってはこの騒動が気に入らなかったのだろうと思う。
子供はオオノさんが面倒を見ていくことで決着したとのことだった。

改めて旦那を本当の糞野郎だと思った。


273:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/20(日) 02:58:44.75 ID:e7AjCewz0

後日、オオノさんは無事に退院。
それと同時に、オオノさんはシングルマザーとして頑張っていかなければならない。
それでも、オオノさんが無事で本当に良かったと心から思った。


290:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/21(月) 22:36:47.31 ID:kqchsKnd0

時は流れ、ようやく現在に至る。

それからというもの、オオノさんとは隔週くらいで会っている。
現在では以前の愚痴やらなんやらした暗い話もなくなり、よく笑うようになった。
出会ったばかりの頃のオオノさんに戻れた感じがして安心している。
睡眠薬を使わなければ眠れなかったのも、今では自然と眠れるようにもなったそうだ。


292:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/21(月) 22:52:55.89 ID:kqchsKnd0

現在の俺はというと、今度オオノさんに対して正式に交際を申し出てみようと思っている。
人生で初の告白というやつだ。
×1・子持ち・メンヘラっぽい気質などなど、一般的に見れば厳しいかもしれないステータスをオオノさんは持ち合わせている。
それも承知の上で俺自身が出した考え。
失われてしまう前に、今ある大切だと思うものを大切にしていきたい。
ただそれだけのこと。
というか、なによりそれが俺自身が後悔しないための行動であると信じてる。
とかいいつつ…前のことが前のことだけに、そうすることでまた何か起こるんじゃないかとビビってもいる。


293:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/21(月) 23:16:23.53 ID:kqchsKnd0

カミヤさん・カワグチさん・オオノさん、それぞれの思い出を通じて話を書いてみた。

人はいつか死ぬ。
それがいつ来るかだけの問題であって、誰しもその時はやってくる。
そんなことわかっているはずなのに、普段は気付きもしない。
それを痛いほど教えられた出来事だった。

俺がここにこうやって書いてみようと思ったのは、
ここを見ていると人それぞれにいろんな過去があり出来事がある。
それについて自分もいろいろと考えさせられる。
俺の体験もそんなにはない体験であるかなと思って書かせてもらった。
まぁ、あまり体験してもらいたくない体験だと思っている。


294:こう ◆As0y8bvqyc :2011/11/21(月) 23:21:29.11 ID:kqchsKnd0

ようやく全てが書き終えることができました。
ここまで書けたのも皆さまの支援あってこそでした。
本当に長い長い話を読んでくださり、ありがとうございました。


299:名も無き被検体774号+:2011/11/22(火) 00:40:47.67 ID:KxBcaG3q0

1乙!
幸せになりますよーに!


300:名も無き被検体774号+:2011/11/22(火) 01:23:43.11 ID:OMrhklho0

お疲れさん

幸せになれよ!




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[ 2011/11/24 12:00 ] VIP | TB(0) | CM(0) このエントリーをはてなブックマークに追加
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